• ひらり凪がれた星屑よ
  • 奇縁を嘲笑う
  • 紺碧を悼む
  • 奏でて霜花
  • 贖罪にひれ伏せ
  • 想いと云う裂傷
  • 夏が訪う宵闇
  • ぼくら鬼のはらから
  • 雪へ生まれくる宝石
  • 濃淡にまみれた寿ぎ

  • 僕が欠けた幸福論
  • 空が示唆する開幕とは
  • 安寧を祈る断罪者
  • 傍観者たらしめる采
  • 白々裂く道化師
  • 昏い岸辺の詩が途切れぬよう
  • 教室の隅で死んだ恋
  • 悲しみが泳ぎだすまで
  • 惨めったらしい蛮勇
  • さんざめいて降るだけの日々

  • 乳白と交ざる慟哭
  • 星の色をしたあなたの声
  • 冷雨をわけた熱を口説く
  • 君が死ぬなら僕は嘯く
  • とこしなえにと信じていた
  • 落ちた花など醜いだけ
  • 鳴り止まない心臓を抉りとって
  • 美しいままでいたいのに
  • 君という病が息を潜めている
  • いつまでも融けあえない

  • 晩冬にたゆたう
  • 生者の吐息を剥ぎ
  • 遠すぎる恋を嘲るがいい
  • 背骨の腐り落ちた真昼
  • お飾りの他人でいて
  • 君を喰む朝陽
  • 沈痛と隣りあう
  • 円匙で掬った夜
  • やさしい春の遺言
  • 去り往くきみの海境